【誰にとっても永遠のテーマ】「聞いてもらう」強み
どうも、シズマです。
強みマシマシできてますか?
最近はありがたいことに、アクセス数が本当に少しずつ伸びてきております。
とりあえずブログの投稿を習慣化(興味があれば↓をどうぞ)
するのが当面の第一目標ですが、
それでも嬉しいですね。
少しでもフィードバックしていけたらいいなと思います。
さて、今回の強みは「聞いてもらう」ことになります。
昨年発売された書籍『聞く技術 聞いてもらう技術』のご紹介もいたします。
個人的に今までご紹介したどの強みよりも最強クラスの強みな気がしています。
これをできたら飛躍間違いなし!
この記事はどんな人向けか?『聞く技術 聞いてもらう技術』
この記事は【人の話を聞くことが苦手な方】【聞く系の本を読んでいるけど効果がない】等、聞くという行為の苦手意識を持ってらっしゃる方向けの記事になります。
いきなりですが、あなたは聞くことが得意でしょうか?
得意だったら、それは素晴らしい。ぜひその強みを僕にも10000分の一でいいからください。
大事に育てます。
僕は人の話を聞くのが超苦手です。
特に何か症状を抱えているというわけではなく、単に向き不向きの問題です。
昔から人の話を聞くのが苦手でした。
だって興味ないし、自分のことを考えていた方が楽だし、余計なストレス抱えなくていいし。
そんな考えがこの本に出会ってから変わりました。
あまり見ないタイトルですよね。
聞く系の本は本屋さんにいけばたくさん並んでいますが、どれも等しく役に立ちません。
営業マン時代、必死に聞く系の本を読み漁りましたが、どれも再現性がありませんでした。
笑顔を作って頷くとか、適切に質問を返すとか。
どれも大事ですし、実践できる方はいるのでしょうけど、僕にはできませんでした。
そんなことをしている余裕がなかったんですよね。
巷に溢れている本たちは、きっと元来聞くことに長けてらっしゃる方か、もしくはベースとなる経験があってさらに磨きをかけたい方向けなのだと思いました。
それが、この本は他の本とは違いました。
「聞く」のではなく、「聞いてもらう」
構ってちゃんになれってことかな?
結論はそういうことなのですが(笑)、その効用は自分から主体的になる「聞く」よりも遥かに意義のあるものでした。
英語で言うならmeaningfulって感情でしたね。
次の項から、その威力をご紹介します。
[: contents]
「聴く」と聴く
「聞く」と「聴く」。
この二つの行為の違いを正確に知ってらっしゃいますか?
僕は知りませんでしたので、確認の意味をこめて以下記載します。
聞く→声が耳に自然と入ってくる状態で、語られていることを言葉通りに受け止めること。
聴く→意識的に相手の声を耳に入れようとする状態で、語られていることの裏にある気持ちに触れること。
ざっくり分けて、「聞く」が受動的で「聴く」が能動的って感じですね。
一般的には「聴く」の方が重要だと多くの人が指摘しています。
僕が営業マン時代は、毎日のようにこの「聴く」行為を求められていました。
傾聴スキルなんて言葉もあるように、相手の話を理解して、相手が真に求めているニーズを汲み取り、提案すること。
そうすることで相手に「この人は分かってくれている」と思わせられて、信頼してもらえるって寸法です。
営業マン時代、僕はこの「聴く」スキルを必死にトレーニングしました。
なんとか売上を上げて、会社に貢献するために、そりゃもう必死で練習しましたよ。
頷きまくって、不自然でも笑顔を作って相手の話を「聴き」まくる。
そうすることで何かが変わるだろうと、その時の自分は思っていました。
結果、何も変わりませんでした。
どんなに練習したところで相手の話が「聴け」ない。
お客さんから「いい提案をありがとう」と言われても、成約に結びつかない。
そりゃそうですよね。
いくら本やセミナーで教えてくれる小技を真似したところで、相手の気持ちを汲み取ることができなかったら「こいつはダメなやつ」だと思われても仕方ありません。
そんな経験もあり、精神的に辛くなって、いったん営業から離れました。
いくらか時間が流れ、この本に出会えたのはまさに必然と呼べるタイミングだったのかもしれません。
ここで、僕が読んでいて思わず唸ってしまった文章を本から抜粋します。
それでは、「聞く」と「聴く」のどちらが難しいと思いますか?
実を言えば、僕はずっと「聴く」のほうが難しいというか、レベルが高いと思っていたんです。 (中略)
浅はかでした。
どう考えたって、「聴く」よりも「聞く」のほうが難しい。「なんで?」と思われるかもしれません。
でもね、「話を聞いてくれない」とは言うけれど、「話を聴いてくれない」と書くと違和感があると思いませんか?
「聞けない」ことはよくあるけど、「聴けない」というのはすごくレアな例です(イヤホンが壊れたときくらいですかね)。
つまり、「なんでちゃんとキいてくれないの?」とか「ちょっとはキいてくれよ!」と言われるとき、求められているのは「聴く」ではなく「聞く」なのです。
そのとき、相手は心の奥底にある気持ちを知ってほしいのではなく、ちゃんと言葉にしているのだから、とりあえずそれだけでも受け取ってほしいと願っています。
言っていることを真に受けてほしい。それが「ちゃんと聞いて」という訴えの内実です。
(『聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書)』東畑開人著から抜粋)
この文章を読んだ瞬間、当時の疑問が氷解しました。
当時の自分は「聴け」なかったのではなく「聞こう」としなかった。
当時、僕はどうでもいい「聴く」行為ばかりに目がいってしまっていて、真に相手の言葉を「聞く」ことができなかったのではないか?
能力や適正の問題ではなく、「聴く」と「聞く」の違いを誤解していたからじゃないのか?
当時の自分の認識の甘さが、結局のところ原因でした。
小手先の技術ばかり磨いていて、真に「相手の話を聞く」スタンスに目が向かなかったのは、完全に僕の責任でした。
相手にとっては、心からの傾聴など求めてはいない。
本当に求めているのは、その場で話すことを受け止める、つまり「聞いて」ほしいだけ。
今振り返ると、そうに思います。
「聞く」「聞いてもらう」の循環
本書の中で、印象に残った文章があるのでご紹介させていただきます。
おそらく、今「聞く」がこれほどに必要となっているのは、社会が慢性的な欠乏状態にあるからなのでしょう。
「失われた30年」と言われるように、僕らの社会は残念ながら、うまくいっていません。少子高齢化や格差など課題は山積みで、多くの人が不安を抱えています。
そして、それを短期的に解決することも、社会にはできません。ある課題をケアすれば、別の課題が生じるというように、資源が圧倒的の不足しているから、人々の痛みを消すことができずにいる。
余裕のない社会がそれでも社会であり続けるために、「聞く」が求められています。しかし余裕がないからこそ「聞く」自体が不全に陥っている。
これが僕らの置かれている状況です。
ポイントは孤独です。
孤独こそが聞かれねばならないのですが、孤独を聞こうとすると、聞く人も孤独になります。そして、孤独になると、人は聞くことができなくなります。
「聞く」の中核にあるのは孤独の問題です。
『聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書)』東畑開人著から抜粋)
他人の話を聞くことばかりに追い立てられてしまって、肝心の自分の話を聞いてもらうことができない社会。
自分自身のことで精一杯なのに、なぜわざわざ興味もない他人の話を聞かなれけばならないのか?
シズマは今も昔も、この気持ちに支配されている気がします。
著者は自分の側に余裕がないと、「聞く」のは難しいと述べています。
僕自身、なんで他者にあんなにきつく当たったり、話をちゃんと聞かなかったのだろう、と後悔してきた経験はたくさんありました。
そういうときは、僕自身も心に余裕がありませんでした。
でも、相手にとっては「まともに話を聞いてくれない人」でしかありません。
余裕がない、孤独な人間同士がお互いに「聞いてもらおう」とすることほど不毛なことはありません。
僕も妻と結婚して数年が経ちますが、やはり聞いてもらえないことに関してのすれ違いがまだまだあるように思います。
心が通じているように感じていても、結婚してお互いのことを知った気でいたとしても、関係が悪くなってくると真面目に話し合おうとしても罵声のぶつけ合いになってしまう。
そうなるともう何を言っても通じないし、お互いが傷つけ合うだけと、話す気すら起きてきません。
ここではコミュニケーションの技術が拙いからと言うテクニック的な問題は関係ない気がします。
お互いに好ましく思っていれば何をやっても許し合えるし、反対に嫌いな人の行動は必要以上に目に入ってしまうし、なんでも気に障る。
どんなに「聴く」ことにはテクニックを活かせても、親しい人、身近な人の話をうまく「聞く」のは、人間関係がこじれてしまうと、どうしようもない面があるのです。
シンプルなようでいて、かなり奥深い「聞く」「聞いてもらう」という行為。
この循環を自分の中に習慣化させていければ、人生の何かが必ず変わってくると思いました。
【番外編】僕の職場にいるSさんのエピソード
僕の職場の同じチームにいるSさんという女性は、今回の「聞いてもらう技術」を最強クラスで備えていらっしゃる方なのでご紹介します。
内勤のSさんは年齢は38歳くらいですが、
見た目はどうみても20代後半、すらっとしてらっしゃって、顔も小顔でお綺麗です。
性格は一見静かですが、ノリや愛想も良く、気が利く性格です。
ミドルエイジの御仁ならハマること間違いなしの女性です(失礼)
彼女は一般的には「聞き上手」の類だと思っています。
僕も仕事で困ったことがあったら、Sさんに相談しますし、他のメンバーもSさんにトラブルシューティングしてもらうことが多いですね。
社歴も十年は超えていて、業務知識もピカイチだし、仕事も早いですし。
本当に頼りになる方なんですよ。
では彼女のどんなどころが「聞いてもらう技術」最強なのか?
それは、Sさんが「感謝」してくれることです。
Sさんは普段から、誰かが彼女にしてくれたどんな小さな親切でも、「ありがとう」という気持ちを非常にバリエーション豊かに表現してくれることが多いです。
例えばSさんが忙しい時に、代わりにSさんの仕事を誰かがやってあげたとします。
そうすると、Sさんが後でお礼を言いにきてくれるんですね。
そうすると、やってあげた側も「またSさんのためにやってあげよう」という気持ちになるわけです。
ところが、たまに彼女がお礼を言ってくれないことがある。
余計なことしたかなと思ってSさんの方を見てみると、何やら頭を抱えて悩んでいる。
これは何か深刻なシチュエーションだなーー周囲の人はSさんを見て、話しかけに行きます。
これなんですよ。
Sさんの固有スキル・サイレントアラーム(技名は適当です)
どんなことでも大体感謝してくれるSさんが、それをしてくれないというのは、彼女自身がお礼を言える余裕がないということ。
「私の話を聞いてほしい」という、声にならぬ声で周囲に聞いてもらいたいサインを出しているのです。
非常にスマートというか、これを意図せず天然でできちゃっているので、その強みを幾分の一でいいからほしいと、そんなSさんの見るたびに思います。
あなたの職場にも、Sさんのようなスペシャリストはいますか?
案外、気が付かないところにいるかもしれませんよ。
まとめ
今回の内容は非常に奥深く、難しいテーマだったので強み探しがまとめきれないところがまだまだあるような気がしました。
「聞いてもらう」行為自体は非常にシンプルな行為です。
ですが、他人の話を余裕を持って「聞ける」ようになるために、自分の話を「聞いてもらおう」という意識づけがあるだけで、だいぶ変わってくるのではないでしょうか?
僕もこの技術がさらに磨けたなら、いつかご報告したいと思います。
それではまた、次の強み探しで会いましょう。
了